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#09❝働き方❞

#09 “働き方

 今それぞれの会社、企業の働き方がこのパンデミックによって大きく変わろうとしています、特に仕事の仕方が会社に行かなくても自宅でもできるという事で、職種によっては無理な仕事もあるでしょうが、デジタルな環境のメリットが十分生かされているようです。以前のようなアナログな社会では到底無理なことだと思います。デジタルな社会は今回のようなコロナというパンデミックを予想して開発されたわけではないと思いますが、デジタル社会、環境の良い一面が発揮されたと思っていいでしょう。

 僕は必ずしもデジタルな環境が進んでいくことに対して全面的に賛成しているわけではないです。確かに僕たちの仕事も図面の手書きからCADに代わって随分便利になったと思いますがその反面建築に対しての深い理解が出来にくくなっている現実もあります、本来なら手で書くことによって設計している建築の細部に関して理解されていきながら図面が完成されていくはずなのですが、建築の細部が理解されてなくてもとりあえず図面は完成します。このことは大変重要なことだと思います。インターネットですぐに調べれば何でも知ることが出来るようになってきました。実際に見なくても経験しなくても知ること、また知識として蓄積されるでしょう。ただそれは知識としてだけであって、その人間の感性によって知恵としてアウトプットされていって初めて知識が知識ではなく大きな意味を持ってくると思います。

 デジタルな社会がどんどん進んでいくと人間を置き忘れた社会が出来てしまうのを懸念しています。人間は桜梅桃李というように当然すべての人が同じではありませんし人間は本来アナログ的にできていると僕はおもっているんですが、そのアナログ的な部分がデジタルな道具やそれを使う環境等によって人間らしさとでも呼ばせてもらいましょうか、その「らしさ」が削られていくように感じられます。例えば人には表情というものがあります、人と人とのコミュニケーションも会ってお互いの顔を見て話せばお互いの表情を感じながら理解を深めることが出来ると思いますが、メールだとお互いの表情はうかがい知ることはできませんしお互いのボキャブラリーの多さ少なさによっても理解度が違ってくると思います。僕はできるだけ電話で話をするようにしています。相手によってはメールを多用している場合には難しいこともありますが、簡単な内容以外は基本電話です。人と人がお互いの考えを理解しあう事は時代が変わってもとても大事なことだと思う。

建築家 川嶌 守

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