#14❝大器晩成❞
#14 “大器晩成”
絵師の雪舟という人は若い時に描いた絵よりも65歳頃から晩年にかけて描いた絵の方が高く評価されている。何故そうなのかは定かではないがそうらしいです。俗にいう大器晩成型の人であったという事です。室町時代、山口や今の広島あたりの中国地方で勢力を持っていた大内氏から山口に呼ばれ48歳の頃中国の明に行き50歳で帰国しその時から雪舟の絵が変わっていったといわれています。若いころに評価されなかったことが逆にパワーになったんだと思います。やり続けていく中で、周りの評価に一喜一憂するのではなくひたすら自分を信じ続ける事このことも才能の一つなのかもしれません。
昭和の文芸作家の遠藤周作氏は生前人生にはアスファルトの道と砂浜の道とがあるそのどちらの道を自分の人生に選択するかで変わってしまうと言っていた、アスファルトの道は歩くには楽かもしれないが、20年、30年たった時に足跡も残っていないが自分の生きるための人生を見つける中で敢えて砂浜の道を挫折を繰り返しながら目標に向かって歩く人生は振り返った時にいろいろな足跡が残っているものだ、作家として高見を目指したが大きな病気を体験した後、弱き人間を理解する中で日々の退屈な平凡な生活が本当は大切なんだ。生きるとは人生を楽しむ事なんだという事に気が付いて病気の後の人生は大きく変わって生活が充実したと話されていた。
建築家 川嶌 守